2019/8/6に放送されたTBSテレビ系情報番組の『この差って何ですか』の人気コーナー『○○の差』では卒塔婆のあるお墓と卒塔婆のないお墓の違いを紹介されていました。そもそも卒塔婆がどのようなものなのか知らない方も多いですよね。卒塔婆に対する疑問を解決していきたいと思います。
卒塔婆とは?
番組内でお馴染みの浄土宗光琳字寺の副住職の井上広法さんが卒塔婆のあらゆる疑問を解説されていました。
卒塔婆には何が書かれているの?
副住職の井上さんは「はがきと同じように、裏には差出人の名前、日付、表には戒名、年忌、そして両面にありがたい言葉(梵字)が書かれています。」と解説されていました。
この卒塔婆という字にはどのような意味があるのでしょうか。この3文字には意味がありません。これは元々ある文字を当て文字にしたものです。そのある言葉というのがインドの言葉がルーツになっていると考えられています。
インドの建物で「ストゥーパ」といわれているものがあります。この名前から卒塔婆になったといわれています。実際に私が使っている画像素材サイトで「卒塔婆」と検索してみるとインドの建物である「ストゥーパ」の写真が検索結果に出てきました。関連性の高いものとして認識されているようです。
この「ストゥーパ」は本来お釈迦様の骨を納めた塔で仏教信仰シンボルとしてインド各地に存在しています。ストゥーパはドーム型の建物でしたが、日本に入ってきて五重塔になります。五重塔が五輪塔となり、木で作られた卒塔婆へと変化したと言われています。
副住職の井上さんは「お金持ちの人は塔を建てましたが、お金がない方は木でできた卒塔婆を使っていたことから、庶民に卒塔婆が広まった」と話されていました。
卒塔婆の相場は大体千円から1万円といわれています。種類によって異なるので住職の方に相談すると良いでしょう。
卒塔婆は何のために立てる?
井上さんは「卒塔婆は簡単にいうと、亡くなった方の死後の幸せを祈る為に応援をしてあげるという行為として『卒塔婆を立てる』という行為がありあます。」と説明されていました。つまり、亡くなった方が成仏できるように応援する手紙のようなものということになりますね。
卒塔婆のあるお墓とないお墓の違い
仏教には様々な宗派があります。井上さんによると、卒塔婆があるお墓とないお墓の違いは、その宗派が関係しているというのです。井上さんは「浄土真宗だけが相場を立てない」と解説されていました。そもそも仏教とはどの宗派もそうなんですが、仏になることを目指します。仏教の世界ではなくなった方が仏になる為に死後の世界で修行をします。しかし、その修行の方法が宗派によって異なります。例えば、日蓮宗は南無妙法蓮華経をとなえることで仏を目指します。浄土宗の場合は南無阿弥陀仏をとなえることで仏を目指します。曹洞宗はひたすら座禅をすることで仏を目指します。臨済宗は座禅をして問答をすることで仏を目指します。
つまり、卒塔婆はなくなったかたがそれぞれの宗派の方法で仏を目指し、なれるように応援してあげるものになります。卒塔婆を立てない浄土真宗は修行という概念がありません。
浄土真宗は全てを仏様にお任せするという考え方です。どんな方でも救われると考えられています。つまり現世で犯罪を犯した方も救われるというのがこの宗派の考えになります。自分の力を一切必要としない浄土真宗は応援する必要がないので卒塔婆を立てないと言われています。
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まとめ&感想
いかがでしたか。お墓参りをしていても卒塔婆はあって当然のものとしか認識していなかったのでこうやって1つ1つの意味をしると奥が深く面白いですね。また亡くなった方へより丁寧に参拝することができるようになった気になります。また、どんな人でも救われるという考え方の浄土真宗の宗派にとても魅力を感じてしまいました。自分の家系の宗派が浄土真宗なのでなんだかラッキーな気分になりました。