2019/3/19に放送されたTBS系テレビ番組『この差って何ですか?』で春のお彼岸に関する特集が紹介されていました。
その中でお墓まいりのふさわしい作法と題してお墓参りのマナーを紹介。
実は多くの方があまりふさわしくない作法でお墓参りを行っているというのです。
確かにお墓参りって見様見真似で行っているので正式なやり方は知らないことが多いですよね。
厳密にいうとお墓参りでこれが正しいやり方というのはありませんが、より良いお墓参りをできるようにふさわしい作法を番組内で紹介されていました。
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お墓参りのマナー1:掃除の水の掛け方
この記事の目次
お墓についてまず行うことといえば、お墓の掃除です。
一度墓石の全体を一度濡らして墓石の上から水をかけている人も多いのではないでしょうか。
それが一般的に周知されている方法ですよね。
浄土宗光琳寺副住職の井上広法さんによると、「これはふさわしくないといいます。そもそもお墓とは『崇拝や信仰の対象』になります。
イメージとしてはお墓はご先祖様の体そのものになります。その体そのものに頭から水をかけるということはふさわしくないといえるといいます。」
お墓参りマナー2:掃除・墓石の磨き方
お水がかけ終わったら、墓石をたわしで磨いていきます。これも一般的な墓石の掃除の仕方です。
というよりもお墓にたわしが置いてあるのでそれをお借りしてそのまま利用することが多いですよね。
つまり『置いてあるからいいんだ!』という考えです。
浄土宗光琳寺副住職の井上広法さんによると、「これもふさわしくありません。
先程の頭から水をかけるのとおなじで、ご先祖様体そのものをたわしで洗っているというイメージになりますので、ふさわしくないといえます。
その為、墓石を洗う際は、スポンジやタオルで優しく拭くのがふさわしいといいます。
しかし、お墓にはたわしが置いてありますよね。このたわしはお墓の土台部分の掃除する用として置いてあるようです。
お墓参りのマナー3:お花のお供え
お花の洗濯の仕方は人それぞれ。
お墓には菊などの仏花を添えるというのが一般的ですが、生前その方が好きだったお花や季節のお花をお供えする人もいるかと思います。
それははたしてふさわしいマナーなのでしょうか。
浄土宗光琳寺副住職の井上広法さんによると、「これは全く問題ありません。亡くなった故人の好きなお花なら基本的に問題ありません」ということでした。
いわゆる仏花は菊やカーネーションをイメージされると思いますが、これは昔の土葬の習慣の名残。
この土葬はご遺体から腐敗臭が出てしまいそれを打ち消すために香りが強い菊やカーネーションをお供えしていたといいます。
お墓参りのマナー4:お線香の置き方
お線香を買ってきて、2名でお墓参りをする際に、お線香に火をつけて束になっていたお線香を2人で分けてお供えをする方もいますよね。これはふさわしい作法なのでしょうか。
浄土宗光琳寺副住職の井上広法さんによると、「お線香を分けることは全く問題ありません。そもそもお線香は一度にたくさんのお線香に火をつけられるように束ねているだけであるから」だといいます。
お線香の理由はご先祖様に香りを楽しんでもらうためのものの為、ご先祖様が好きだった匂いのお線香を選ぶというのも粋な計らいですね。
お線香の香りには、『ミルキー』などといった面白い香りのものも!
ミルキーの香りが好きで私は家でお香代わりに使うこともあります。
他にもたくさんの種類があるので、お線香の面白い香りの種類は下記記事で紹介しています。宜しければご覧ください。
お墓参りのマナー5:食べ物のお供え
普段はお墓に食べ物をお供えしませんが、お彼岸ということもあり、ぼたもちをお供えするさいに、
箱に入ったぼたもちを蓋を閉めた状態でお供えするのはふさわしいのでしょうか。
浄土宗光琳寺副住職の井上広法さんによると、「これはふさわしくありません。
亡くなられたご先祖様たちは香食といってニオイを召し上がられています。
そのため、蓋を閉めているものはニオイが出ませんので、香りが出るように蓋を開けてあげたほうが、より丁寧」だといいます。
注:お墓参りが終わった後はお持ち帰り頂くのもマナーだそうです。
お墓参りのマナー6:お参りの仕方
お参りをする際は目を閉じながら行う方がほとんどかと思います。この目を閉じてお参りをするというのはふさわしいのでしょうか。
浄土宗光琳寺副住職の井上広法さんによると、「ふさわしくありません。
目を閉じる作法を教わった記憶がないので、ふさわしくないと言えるかと思います」ということでした。
お墓参りはご先祖様との対話なので、目をつぶって会話をする必要はないということです。
また対話の際はお願いごとよりも感謝事をお伝えしたほうが良いといいます。
まとめ
いかがでしたか。
お墓参りという行事もその行事自体の概念やマナーにとらわれず、墓石をご先祖様の体そのものと意識しながら、
ご先祖様に会いに行く感覚で行うのが大切であるのかもしれません。
お彼岸になったからお墓参りしなくちゃ!という感覚ではなく、ご先祖様への感謝の気持ちを伝えに行くというイメージでお墓参りをされてみてはいかがでしょうか。
注:地域や宗派によって異なる可能性があります。