カレーの保存方法!食中毒対策のやり方や固まるのを防ぐ方法とは?

老若男女に愛されるカレー。そんなカレーは1晩寝かせたほうが美味しいと言われていますよね。しかしニュースなどで作り置きしたカレーから食中毒が発生したなどといった怖いニュースを耳にすることも。カレーは簡単で美味しいレシピですが食中毒にかかりやすい食品でもあるため保存法には特に気をつけなければなりません。

この記事ではカレーと食中毒の関係性や正しい保存法、そして保存後のドロドロを防ぐ方法などを紹介していきたいと思います。

目次

カレーによる食中毒の事例


カレーは時間を置けば置くほど美味しくなると考えられていますが、これを間違えた方法で保存していると食中毒を引き起こす原因になりかねません。

【食中毒一例】

2017年3月:滋賀県守山市千代町の「総合給食センター 一番」が提供した弁当のカレーを食べた工場など4事業所の従業員77人が、下痢や嘔吐など食中毒症状を発症。
2017年4月:2日めのカレーのウェルシュ菌から食中毒。都内の作り置きしたカレーを食べた園児ら70人以上が集団食中毒。
2018年6月:大学の歓迎会で提供されたケータリング料理を喫食した大学生及び教員の約100名中71名が食中毒に。飲食店が調理したココナッツチキンカレーは喫食の約8時間30分前に調理され、調理後、提供されるまで常温で放置されていた。

これら事例の殆どがウェルシュ菌という菌による食中毒症状です。

カレーとウェルシュ菌の関係について

厚生労働省の広報誌ではウェルシュ菌に関してこのように説明されています。

ウエルシュ菌も、ヒトの腸管、土壌や下水などに広く分布している細菌です。ウエルシュ菌の特徴としては、熱に強い芽胞をつくること、酸素のない環境を好むことがあげられます。これまでにカレーやシチュー、煮魚、麺のつけ汁など、大量に調理され、そのまま室温で冷まされた食品が原因で食中毒が発生しています。また、1件あたりの患者数が多く、大規模発生になることがあります。
 潜伏期間は6~18時間(平均10時間)で、腹痛や下痢などの症状が現れます。
 夏(7~9月)に多く発生しますが、春(3~4月)や冬(12~1月)にも起こるので、注意しましょう。
 ウエルシュ菌のうち、芽胞を形成したものは通常の加熱では死滅しません。また、自然界に分布する菌のため、食品への汚染を根絶することは不可能です。そのため、加熱により菌数を減らすことや、菌の増殖を防ぐことが大切です。
 清潔な調理を心がけ、加熱調理をした食品を冷やす際は、小分けにするなどしてすばやく冷やし、室温に長時間放置するのはやめましょう。保存する際は、10℃以下または55℃以上で。再加熱する場合は十分に加熱したうえで、早めに食べるように心がけてください。

つまり、ウェルシュ菌とはカレーなどを大量調理してそのまま室温において置くと増殖する菌ということです。しかも季節は関係なく夏に特に多いようですが、春や冬にも食中毒は起こりうるということなので通年気をつけなければなりません。

カビならば視認することができますが、これらウエルシュ菌などは目視では確認できませんので、食べてから症状が出て集団的に感染しているということが起こりえます。また自然界に分布する菌ということなので、調理時に菌の増殖を防ぐことでこれら食中毒を予防することができるということです。

カレーの保存方法!


上述したとおり、カレーは食中毒が発生しやすい食品の為、保存はきちんと行わなければなりません。間違えても『常温で長時間放置しない』ようにしましょう。

冷蔵庫

常温で保存すると菌が増殖する原因となり食中毒に繋がってしまいます。
冬場は寒いからと言って油断は大敵です。冬場であっても常温保存ではなく冷蔵保存するようにしましょう。

【保存方法】
2020年8月27日に放送された『日本人の3割しかしらない くりーむしちゅーのハナタカ!優越感』でカレーの保存方法として「常温の時間を短くするため、鍋を氷水に浸して冷やし、蓋の水滴から菌が増殖する可能性があるのでタオルなどを挟んで水滴を吸収させるようにして冷蔵庫に保存します」と紹介されていました。
これは鍋ごと冷蔵庫にいれる場合の保存法ですね。蓋の水滴に関しては盲点でした!菌は水分から繁殖していきますから、蓋をして保存する場合には水分を吸収する対策が必要ですね。

Pro SARAYAの情報サイト『SANITATION』によると「この芽胞は、加熱後、まわりの温度が下がって50℃位になると発芽し始め、45℃前後で最もよく増殖する。その温度では約10分に1回分裂し、2、4、8、16、32、64と増えてゆき、3時間を超えると図のように爆発的に細菌数が増殖するのである。」と説明されています。

つまり50度以下になってしまうと菌が増殖し始めるのでカレーを作った後はなるべく早めに冷やして冷蔵保存するのが良いということとなります。ちなみに容器を触って人肌くらいの温かさが50度くらいですので容器を触っても熱くない状態になっていたら注意のサインです!

また、上述の厚労省の広報誌では「小分けにするなどしてすばやく冷やし」と記載されていますので、保存容器などに小分けにして保存すると良いでしょう。しかしここでもカレーと冷蔵庫内の温度差で蓋に水蒸気がついてしまいますのでキッチンペーパーなどを挟むと良いと思います。また、より早く素早く冷やしたい場合はバットを使うのも良いでしょう。

ちなみに保存日数の目安は2〜3日ですので作り置きしても長期保存はしないようにしましょう。
また、既に使ったスプーンがついたカレー(食べ残し)に関してはより菌が増殖しやすいのでなるべく早く食べるのがおすすめです。

冷凍庫

冷凍保存の場合は冷凍保存の時と同じくまずは鍋を氷水で冷やします。後は2通りの方法で保存です。1)保存袋に入れて保存、または2)保存容器にいれて保存です。保存して1ヶ月は保存可能と考えられていますが、じゃがいもや人参などの根菜類は冷凍保存にあまり向いていない野菜ですので酸化、劣化するということをお忘れなく。味は落ちます。

カレー保存後固まるのを防ぐ方法とは?


カレーは冷蔵保存すると液体から固体化してとろとろからドロドロの状態になってしまいがちです。
2020年8月27日に放送された『日本人の3割しかしらない くりーむしちゅーのハナタカ!優越感』では保存する際にある工夫をすることでカレーが固まらない裏技を紹介していました。そしてその方法がとっても簡単なのです!
その方法というのが、「はちみつをかけて保存する」というもの。はちみつには消化酵素が含まれているのでその消化酵素がカレーのとろみを消します。そのため、はちみつを大さじ1杯程度加えてカレーを保存するととろとろの状態を保つことができます(保存時間によっても固さは異なります)。

また、隠し味にはちみつを入れる場合は入れるタイミングがとても大切です。はちみつを加えたい場合はルーをいれる前で野菜を煮込む時に加えるようにしましょう。ルーを入れて仕上げにはちみつを加えてしまうとカレーが水っぽくなってしまい失敗作になってしまいます。ちなみに20分以上はちみつを煮込んでからルーを投入すると水っぽくなくなります。

まとめ&感想

いかがでしたか。家庭でカレーを作る際も食中毒には十分気をつける必要があります。カレーは大量に作りがちなので余るのが当たり前になっていたりもしますよね。余ってしまった時はすぐに冷蔵・または冷凍保存をすることを心がけましょう。また、保存するときははちみつを加えることで固くなるのを防いでくれます。是非試してみてはいかがでしょうか♡

この記事が気に入ったら
フォローしよう

最新情報をお届けします

Twitterでフォローしよう

PICKUP-季節の食材
おすすめの記事