2019/8/20に放送されたTBS系テレビ番組『この差って何ですか』では外国人が気になる日本の差のコーナーで内のしと外のしの違いを紹介されていました。上司にお中元を贈る際に、商品を購入してレジカウンターで『内のしにしますか?外のしにしますか?』と聞かれることってよくありますよね。しかしその違いがわからないので『のしはなしで』と回答されている方も多いのではないでしょうか。
この記事では内のしと外のしの違い、場面に合わせた使い分け方を紹介していきたいと思います。
内のしと外のしの違いとは?
そもそもの違いは、のし紙をかけた後に包装をした場合は『内のし』。包装紙で包んだ後に上からのし紙をかけたものが『外のし』と呼ばれています。つまり、のし紙が表に出て見えている状態が『外のし』で包装紙を開けたらのしがみえてくるものが『内のし』です。
お中元やお見舞いなどの使い分け方は?
配送の場合はのしが汚れたり破れたりするのを防ぐために内のしにし、先方の自宅へ疑うなど訪問して直接渡す場合は外のしにしている使い分け方をしている方が多くいらっしゃいます。とても理にかなった使い分け法ですよね。しかし、これはマナー面から考えると間違えた使い分け方です。マナー講師の井垣利英さんは「本来内のしと外のしは贈り物の種類によって使い分けなければならないのです」と解説されていました。
下記がマナー的に正しいのしの使い分け方です。☟☟
結婚祝い | 外のし |
出産祝い | 外のし |
入学祝 | 外のし |
内祝い | 内のし |
お見舞い | のしはつけない |
快気祝い | 内のし |
※内祝いとは、おめでたい出来事があってお祝いをしてくれた人に対し、お返しを贈ること
※快気祝いとは、入院や自宅療養をしていた人の病気が完治し、入院中にお見舞いに来てくれた人にお礼と報告を兼ねたお返しをすること
井垣講師は「お祝いの気持ちを全面に出したい場合に外のしを使い、内祝いや快気祝いは自分や身内に祝い事があった時の贈り物なので控えめにしたいという気持ちから内のしにします」と解説されていました。
とても日本人らしい習慣ですね。行動一つ一つに意味があってそれがまた奥深く繊細で相手を思いやる気持ちがとても伝わる習慣です。配達でのしが破れてしまうからなどといった利便性ではなく、お祝いの気持ちをより表すアイテムとしてのしを利用するのが正しい使い方といえます。
使い分け方がわかれば恥を書くことなくレジのカウンターでのしを選ぶことが出来ますね。
なぜ『のし』と呼ぶ?
では、なぜお見舞いの時だけ『のしはつけない方がいい』のでしょうか?それはのしの模様に関係しています。のしの模様は紙で包まれたアワビを絵にかいたモノ。もともとは江戸時代に高級品であるアワビを伸ばしたものを贈り物に張り付けてのしとして使っていました。今ではアワビそのものは付けず、絵にかいた模様を使うようになりました。そして『アワビをのしたモノ』といわれることから『のし』と呼ばれるようになりました。
そしてのしは『病気を伸ばす』『入院を伸ばす』といった意味合いを持ってしまうのでのしをつけない方がいいと考えられています。そこで、お見舞いの際は『のし』の模様がついていない掛け紙をかけるのが正しいマナーです。
まとめ&感想
いかがでしたか。今まで使い分け方がわからず、のしを付けずにいた方も多いのではないでしょうか。お祝いの気持ちを表に表したいいお祝い事の時は『外のし』。控えめにしたい時は『内のし』を使うようにしましょう。また、お見舞いの際は『のし』は付けず、模様のない掛け紙を使いましょう。