新型コロナウイルスが社会問題化する中で、アルコール消毒液の需要が急速に増加し、売り切れ状態が続いています。オンライン通販サイトでは従来のアルコール消毒液よりも高値で取引がされるようになり以前であれば簡単に手に入れることができたアルコール消毒液も入手困難な状況に。そんな中で自宅で簡単に作れるキッチンハイターを使った消毒液が注目を浴びています。
現在(2020年4月24日)の時点ではキッチンハイターの在庫はスーパーで売り切れ状態にはなっていないのでまだ通常価格で手に入れることができました。そんなキッチンハイターを使った簡単消毒液の作り方、使い方、そして実際に使ってみて感じた注意点や簡単希釈方法を紹介していこうと思います。
キッチンハイター消毒液の作り方
この記事の目次
まず気になるのは新型コロナ対策としてキッチンハイター消毒液がコロナウイルスに対して効果的であるのか気になりますよね。新型コロナウイルス関連のフェイクニュースや詐欺も横行しているのが現実です。今回紹介するのは実際に厚生労働省が発表している内容そして、キッチンハイターを作るメーカーである花王さんが発表している内容を元に消毒液を作って使ってみたレビューを紹介していきますのでご安心頂ければと思います。
政府で発表されている内容
厚生労働省は、「アルコール消毒液の入手が難しい場合には、別紙「新型コロナウイルス対策 身のまわりを清潔にしましょう。」を踏まえ、手洗いを丁寧に行うことや、食器・手すり・ドアノブなど身近な物の消毒には、熱水や塩素系漂白剤で行っていただくことを徹底いただくようお願いいたします。」と示した上で「新型コロナウイルス対策 身のまわりを清潔にしましょう。」の中でこのように述べています。
塩素系漂白剤(次亜塩素酸ナトリウム)は濃度 0.05% に薄めた上で、拭くと消毒ができます。
ハイター、ブリーチなど。以下は、次亜塩素酸ナトリウムを主成分とする製品の例です。
商品によって濃度が異なりますので、以下を参考に薄めてください。
【注意】
●使用にあたっては、商品パッケージや HP の説明をご確認ください。
●上記のほかにも、次亜塩素酸ナトリウムを成分とする商品は多数あります。
表に無い場合、商品パッケージや HP の説明にしたがってご使用ください。
メーカー (五十音順) |
商品名 | 作り方の例 |
花王 | ハイター | 水1L に本商品 25mL(商品付属のキャップ 1 杯) |
キッチンハイター | 水1L に本商品 25mL(商品付属のキャップ 1 杯) | |
カネヨ石鹸 | カネヨブリーチ | 水1L に本商品 10mL(商品付属のキャップ 1/2 杯) |
カネヨキッチンブリーチ | 水1L に本商品 10mL(商品付属のキャップ 1/2 杯) | |
ミツエイ | ブリーチ | 水1L に本商品 10mL(商品付属のキャップ 1/2 杯) |
キッチンブリーチ | 水1L に本商品 10mL(商品付属のキャップ 1/2 杯) |
参考:感染防止対策チラシ
花王が発表している内容
また、キッチンハイターを製造する花王のHPではこのように発表されています。
次亜塩素酸ナトリウムを含む花王の塩素系漂白剤は、衣類用の「ハイター」と台所用の「キッチンハイター」です。「ハイター」と「キッチンハイター」は、次亜塩素酸ナトリウム濃度が6%になるように生産されています。
厚生労働省の案内は参考までにキッチンハイターを使用した場合水1リットルに対して本商品25ml(商品付属のキャップ1杯)を使用して0.05%以上の次亜塩素酸ナトリウム液が作れるとあります。しかし、次亜塩素酸ナトリウムの特徴に常温で保存していた場合でもゆっくりと分解し、濃度が低下していくというのです。つまり古い次亜塩素酸ナトリウムを使用する場合と新しく買ったものを使用する場合で濃度が異なってくるようです。
下記は花王が発表している「ハイター」と「キッチンハイター」の希釈の目安です。
0.02%(200ppm)以上* | 0.05%(500ppm)以上* | 0.1%(1000ppm)以上* | |
生産時の濃度6%の場合 | 水3リットルにキャップ約0.4杯(10ml) | 水3リットルにキャップ約1杯(25ml) | 水3リットルにキャップ約2杯(50ml) |
購入から3か月以内 | 水3リットルにキャップ約1/2杯(12ml) | 水1リットルにキャップ約0.4杯(10ml) | 水1リットルにキャップ約0.8杯(20ml) |
購入から1年以内 | 水3リットルにキャップ約0.7杯(18ml) | 水1リットルにキャップ約0.6杯(15ml) | 水1リットルにキャップ約1.2杯(30ml) |
購入から3年以内 | 水3リットルにキャップ約1.2杯(30ml) | 水1リットルにキャップ約1杯(25ml) | 水1リットルにキャップ約2杯(50ml) |
参考:花王の塩素系漂白剤で、次亜塩素酸ナトリウム0.05%、0.1%の液は作れるの?
*次亜塩素酸ナトリウム濃度
と紹介されています。つまり、いつ「ハイター」または「キッチンハイター」を購入したかによって薄める量が異なってくるということになります。
今回私は3日前に購入した「キッチンハイター」を使っていきますので、濃度が0.05%以上の場合は、水1リットルにキャップ約0.4杯(10ml)、0.1%上の場合は水1リットルにキャップ約0.8杯(20ml)の次亜塩素酸ナトリウム液を作っていくことになります。
簡単希釈方法
希釈を始める前に知っておいていただきたいことがあります。それは、次亜塩素酸ナトリウム液は保存がきかないということです。花王さんも「「ハイター」「キッチンハイター」を薄めた液(=希釈液)は、次亜塩素酸ナトリウムが分解されやすく効果が持続しません。希釈液は使用の都度、必要な量をつくるようにして下さい。」と説明されています。その為使う量を毎回薄めて作っていく必要があります。
また、アルコール消毒液の感覚でスプレーボトルにいれて使用しようと思う方もいらっしゃるかと思います。これもNGです。
それでは希釈をしていきたいと思いますが、毎回家のドアノブ、手すり、スイッチなどを拭くために1リットルの消毒液は必要ないですよね。福祉施設などに案内が回っている希釈の目安なので家庭用の目安として出されているものではないのかと思います。
もし家庭用で使うために消毒液を作ろうと考えられている方は、家で使う分であれば1日に基本的に1カップ(200ml)程度の消毒液程度で十分かと思います。1部屋のアパートであればその半分の100mlでも構わないかもしれませんが、雑巾が液体を吸い込むので私は1カップがベストでした(ちなみに私は2階建て一軒家住みです)。
下記表は1カップ(200ml)に対してキッチンハイターがどれくらい必要かを表しています。
濃度0.05%以上 | 濃度0.1%以上 | |
購入から3か月以内 | 水200㏄に2ml | 水200㏄に4ml |
購入から1年以内 | 水200㏄に3ml | 水200㏄に6ml |
購入から3年以内 | 水200㏄に5ml | 水200㏄に10ml |
大体2~5mlのキッチンハイターを薄めていく感じになります。私は今回DAISOに売られている少量計量カップを使って2mlを計りました。
少量計量カップを持っていないという方は小さじが5mlなのでそれを目安に使いましょう。小さじ半分であれば2.5mlになります。0.05%以上ということなので、2ml以上10ml以下程度に収めておけばいいのではないでしょうか。大雑把なもので、適当ですみません。
キッチンハイター消毒液の使い方
用意するもの
- キッチンハイター 必要な分だけ
- 消毒用布巾 1枚
- 水拭き用布巾 1枚
- 洗い桶 1個
- ゴム手袋 1~2枚※
※私は握力に自信があるのと最近はゴム手袋の値段も高騰しているのでなるべく節約という面からゴム手袋は消毒用布巾を使う右手のみ1枚を使っています。しかし握力に自信がない方やゴム手袋購入が高いと思わない方は両手2枚着用をおすすめします。液を絞る時が大変ですのでね。笑
使い方
- 消毒用布巾を洗い桶に入った次亜塩素酸ナトリウム液に浸し、絞ります
- よく触るエリアを拭いて消毒していきます。
- 水拭き用布巾を使って水拭きをしていき終了。
では実際によく触っているであろうエリアを消毒していきます。
こんな感じで家中消毒していきます。終わったら布巾をよく洗って干しておき明日に備えます。
キッチンハイター消毒液を作り・使う場合の注意点
- 家事用手袋を着用して行ってください。
- 金属は腐食することがあります。金属には使用しないようにしましょう。
- 換気をしながら行ってください。
- 他の薬品と混ぜないようにしましょう。
- 3年以上経過したものは濃度が著しく低下している恐れがあるので使用はおすすめできません
- 目に入ったりすると失明のおそれがありますので、十分な注意が必要です。使用方法や使用上の注意をきちんと把握しておきましょう。
- 万が一皮膚に付着してしまった場合は、すぐに水で十分洗い流してください。
- 薄めた液を他の容器にいれて保管するのはやめましょう。また、スプレーボトルもNGです。霧状の液を吸い込むことがあり、せき込んだり呼吸器に異常を期したりするおそれがあります。
- 衣類などの色落ちに注意が必要です。
キッチンハイター消毒液の作り方!まとめ
いかがでしたでしょうか。キッチンハイターは家に常備している方も多いと思いますので、新型コロナウイルスの消毒用に使用できるというのはかなり簡単+コスパがいいですね。現在アルコール消毒液を買おうとすると1000円越えで1本2000円程度します。新型コロナウイルスの影響で家計が苦しくなる中かなりの痛手プライス。キッチンハイターは1度に使う量も少ないのでかなり経済的。毎日の掃除+コロナ対策が必要となり、家事+育児+在宅ワークととにかく負担になることが多くなっていますが、健康であることが第一です。普段からできる少しの手間で対策が出来るのであれば是非行っていきましょう。私たちが健康でいることが医療従事者の負担を軽減することにも繋がってくるかと思います。
キッチンハイターで消毒液を作ってみましたがとても簡単でした。しかし、危険な液体でもありますので取り扱いには十分注意しましょう。特に小さなお子さんがいるご家庭では注意がより必要です。新型コロナウイルスで不安を抱えている方々へ少しでもお役に立てれば幸いです。